平成22年度 4学年総合試験 平成23年2月21日 10:30〜12:10

1 子宮頸癌において最も高頻度に認められるヒトパピローマ・ウイルスの型はどれか。

a11

b16

c35

d52

e63

 

2 心筋梗塞でみられる組織学的変化で適切でないのはどれか。

a.心筋線維の好酸性壊死

b.好中球の浸潤

c.類上皮肉芽腫増生

d.肉芽組織増生

e.癒痕

 

3 脱水でみられる血液所見はどれか。

a.ヘマトクリット低下

b.クレアチニン低下

cBUN上昇

d.コレステロール上昇

e.血小板低下

 

4 ヒトの胸腺の組織標本写真(別冊No1A)とその模式図(別冊N1B)を示す。

Aで示す領域の表層部で起こっていることとして、正しいのはどれか。

a.ネガティブ選択

b.被膜からのリンパ球流入

cT細胞前駆細胞の分裂増殖

d.自己反応性single positive細胞のアポトーシス

e.樹状細胞によるT細胞抗原受容体の選択

 

5 正常な眼組織の中で血管が存在するのはどれか。

a.角膜

b.水晶体

c.硝子体

d.脈絡膜

e.中心窩網膜

 

6 満腹時における肝臓での代謝で促進されるのはどれか。

a.糖新生

b.ケトン体合成

c.タンパク質分解

d.グリコーゲン合成

e.トリアシルグリセロール分解

 

7 擦過創の処置で、正しいのはどれか。

a.感染が加わっても、治癒過程には問題ない

b.感染が加わった場合、銀を含んだ軟膏を用いるのがよい。

c.できるだけ、創には直接ガーゼを当てる。

d.湿潤環境にするのは、あまりよくない。

e.日光浴が、一般によいとされている。

 

8 側頭連合野のニューロン活動で誤っているのはどれか。

a.特定の人物に視覚反応する。

b.眼球運動に関わる。

c.色に選択性をもつ。

d.物の形に選択性をもつ。

e.身体部分の絵に視覚反応する。

 

9 hCGについて誤っているのはどれか。

a.αサブユニットはLHFSHTSHと相同である。

b.βサブユニットは特異的であるo

c.血漿内半減期は約72時間である。

d.妊娠14週を過ぎると減少する。

e.絨毛性疾患で陽性となる。

 

10 膿瘍で認められる細胞で正しいのはどれか。

a.好中球

b.好塩基球

c.好酸球

d.リンパ球

e.形質細胞

 

11 

10年来の高血圧、糖尿病、脳梗塞で内服治療を受けている65歳の男性患者。

1年前より潰瘍性大腸炎でステロイド薬内服治療中であったが、今回大腸癌を指摘され、2週間後に大腸切除術を予定している。

これまでに手術既往はなく、他に疾患を認めない。ただちに内服を中止すべき薬剤はどれか。

a.カルシウム括抗薬

b.経口血糖降下薬

c.抗血小板薬

d.副腎皮質ステロイド薬

e.ヒスタミン2受容体括抗薬

 

12 脊椎腫瘍に関する記載で正しいのはどれか0

a.脊椎腫瘍は原発性の方が多い。

b.原発性脊椎腫瘍に脊索腫があり、これは頚椎に特異的に多く発生する

c.転移性の場合はリンパ性転移が主な原因と言われている

d.転移性の場合は単純レントゲン前後像で椎弓根消失が所見として挙げられる。

e.脊椎血管腫の痛みはアスピリンが著効する

 

13 卵巣癌について正しいのはどれか

a.骨盤リンパ節転移を認めるとVb期である

b.術前に確定診断がつくことが多い

c.上皮性卵巣癌では手術時の残存腫瘍径が予後を左右する

d.性索間質性腫瘍が最も多い

e.わが国における卵巣癌患者数は減少傾向にあり、死亡率も低下している

 

14 慢性炎症で認められることが少ない細胞はどれか

a 好中球

b リンパ球

c 大食細胞

d 形質細胞

e 線維芽細胞

 

15 正しいのはどれか

a 伝染性単核球症では咽頭痛はみられない

b 淋菌による尿道炎は有痛性である

c 第二期梅毒では尖圭コンジローマを生じる

d 梅毒の第一選択薬はセフェム系抗菌薬である

e パピローマウイルスはRNAウイルスである

 

16 図は二種類の視細胞の網膜の部位による分布の差を示している。正しいのはどれか

a Aの細胞は、暗順応時に働く

b Bの細胞は、色に対する感受性がない

c Aの細胞は、3種類ある

d Bの細胞は、活動電位を発生する

e Aの細胞は、光で脱分極する

 

17 先天性筋ジストロフィー福山型について、正しいのはどれか。

a.精神発達遅滞は必発である。

b.顔面筋は雁思しない。

c.座位は獲得できない。

d.ジストロフィン遺伝子の異常で発症する。

e.伴性劣性遺伝である。

 

18 損傷の状態について正しいのはどれか。

a.組織の正常な連絡が保たれる。

b.皮膚の表面の連続が断たれる。

c.皮膚の正常な連絡が断たれる。

d.創は開放性である。

e.傷は開放性である。

 

19 「健康日本21」に閲し誤っているのはどれか。

a.健康寿命の延伸を目的にしている。

b.一次予防を重視している。

c.健康増進法はこれを後押しするものである。

d.生活習慣病予防をはかることを目的としている。

e.食事摂取基準が示されている。

 

20 人工股関節置換術後早期にもっとも警戒すべき致死性合併症はどれか。

a.人工関節脱臼

b.急性感染症

c.肺血栓塞栓症

d.深部静脈血栓症

e.骨セメントショック

 

21 出生当日の新生児で心疾患を強く疑う所見はどれか

a.乏尿

b.多呼吸          

c.嘔吐

d.哺乳力不良

e.浮腫

 

22 解剖までの手順として正しい組合せはどれか。

a.検視一検案一法医解剖

b.検視一法医解剖一検案

c.検案一検視一法医解剖

d.検案一法医解剖一検視

e.法医解剖一検案一検視

 

23 成人T細胞白血病について誤っているのはどれか。

aHTLV一Tが原因である。

b.白血病細胞は成熟したCD4陽性T細胞である。

c.臓器浸潤の頻度が高い。

d.急性型の平均生存期間は5年である。

e.化学療法抵抗性である。

 

24 1回換気量が450ml、予備吸気量が3000ml、機能的残気量が2000ml、予備呼気量が1000ml、残気量が1500mlのとき、全肺気量はいくらか。

a3450ml

b4450ml

c5000ml

d5950ml

e6450ml

 

25 迷走神経が関与しない機能はどれか。

a.腹腔内臓の運動

b.咽頭筋の運動

c.喉頭筋の運動

d.舌の運動

e.味覚

 

26 エリスロポエチンに関して誤っているのはどれか。

a.骨髄で産生される。

b.造血幹細胞の増殖を促進する。

c.組織の低酸素状態で産生が克進する。

d.真性多血症では低値を示す。

e.エリスロポエチン製剤は溶血性貧血に効果がない。

 

27 妊娠20週の子宮の大きさはどれか。

a.鶏卵大

b.鷲卵大

c.手拳大

d.小児頭大

e.成人頭大

 

28 67歳の男性。左足の皮疹を主訴に受診した。1年前から左足に黒色斑があり、

次第に増大した。左足の写真(別冊No3)に示す。診断に最も有用なのはどれか。

a.細菌培養

bMRI検査

c.超音波検査

d.ツアンク試験

e.ダーモスコピー検査

 

29 ヒト免疫不全ウイルスについて正しいのはどれか。

a.先天性免疫不全症の原因となる。

bB細胞に感染する。

c.飛沫核感染により伝播する。

dRNAウイルスである。

e.治療にはアシクロビルが有効である。

 

30 ビタミンB1欠乏症でみられないのはどれか。

a.膝蓋腱反射の低下

b.心拍出量の増加

c.血中乳酸の上昇

d.末梢血管抵抗の低下

e.疼痛を伴う舌腫大

 

31 胎児の頭蓋骨計測で最も長いのはどれか。

a.小横径

b.大斜径

c.小斜径

d.大横径

e.前後径

 

32 高血圧症の合併症で誤っているのはどれか。

a.脳出血

b.ハンチントン病

c.心肥大

d.心筋梗塞

e.眼底出血

 

33 赤芽球の中でもっとも幼弱なのはどれか。

a.好塩基性赤芽球

b.正染性赤芽球

c.前赤芽球

d.多染性赤芽球

e.網赤血球

 

34 損傷を受けると不随意運動が生じる脳部位はどれか。

a.視床

b.大脳基底核

c.小脳

d.内包

e.大脳皮質

 

35 スピロヘータが原因となる疾患で正しいのはどれか。

a 猩紅熱

b.レプトスピラ症

c.毒素性ショック症候群

d.コレラ

e.淋病

 

36 低ナトリウム血症をきたすのはどれか。

aSIADH

b.下痢

c.尿崩症

d.インスリン過剰

e.原発性アルドステロン症

 

37 妊娠による母体の変化で正しいのはどれか

a.腸内容通過時間は短縮する。

b.循環血渠量は減少する。

c.白血球数は減少する。

d.第[因子を除くすべての凝固因子が増加する。

e.腎機能は低下する。

 

38 局所進行子宮頸癌の化学放射線治療について正しいのはどれか。

a.扁平上皮癌にはシスプラチンは使用しない。

b.放射線治療と比較して予後の改善が報告されている。

c.腔内照射は併用しない。

d.放射線照射線量は病巣総線量は300Gy以内が望ましい。

e.V期子宮頸癌の5年生存率は約30%である。

 

39 黒い色素斑を診療した場合、悪性黒色腫を疑う所見の参考にならないのはどれか。

a.形が非対称

b.境界が不明瞭

c.色調の濃淡

d70歳以上

e.大きさが7mmを超える

 

40 胃の上皮の中にパネート細胞が見られた。この所見は何と呼ばれるか。

a.化生

b.肥大

c.転移

d.増殖

e.器質化

 

41 骨髄異形成症候群(MDS)について正しいのはどれか。

a.病型による治療の相違はない。

b.白血病化がリスクとして重要である。

c.造血幹細胞移植の適応とならない。

d.低リスクMDSでは化学療法が第一選択である。

e.高リスクMDSでは、免疫抑制療法が行われる。

 

42 動脈圧受容器反射による血圧調節について正しいのはどれか。

a.遅延性の血圧調節機構である。

b.腎臓が中心的な役割を果たす。

c.効果は無限大である。

d.重度の脳虚血によって引き起こされる反射である。

e.動脈圧の低下によって圧受容器の興奮が低下する。

 

43 誤っているのはどれか。

a.生物は自由エネルギーを消費する。

b.地球上に生物は1000万種以上存在する。

c.細胞は自由エネルギーをもつ。

d.情報の伝達には自由エネルギーが必要である。

e.細胞の死滅は化学平衡に逆行する。

 

44 小脳障害で認められる症状・徴侯はどれか。

aRomberg徴候陽性

b.眼振

c.痙縮

dBabinski徴侯陽性

e.すくみ足

 

45 原発性マクログロブリン血症について誤っているのはどれか。

a.意識障害

b.うっ血性心不全

c.出血傾向

d.視力障害

e.白髪

 

46 骨格筋と平滑筋に共通する特徴はどれか。

a.多核細胞である。

b.フィラメントの滑り合いによって収縮する。

c.細胞間にギャップ結合が存在する。

d.体性神経に支配される。

eT細管が存在する。

 

47 遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)につき誤っているのはどれか

a.常染色体優性遺伝形質である。

b.癌は多発しやすい。

c.予後はきわめて不良である。

dDNA修復遺伝子の異常による。

e.若年発症する。

 

48 閉脚立位において、閉眼させると体幹の動揺が増強した。予測障害部位はどれか。

a.視神経

b.中脳異質

c.脊髄後索

d.小脳半球

e.小脳虫部

 

49 婦人科診察時の双合診で正しいのはどれか。

a.膣鏡診前に行う。

b.膀胱を充満して行う。

c.正常な卵巣は鷲卵大に触れる。

d.正常な子宮は手拳大に触れる。

e.内診指と腹壁上の外診手とで触診する。

 

50 52歳の女性。口渇、多飲、多尿、便秘を訴えて来院した。尿管結石の既往もあるという。診断はどれか。

a.原発性副甲状腺機能亢進症

b.甲状腺乳頭痛

c.ガストリノーマ

d.カルチノイド症候群

e.尿崩症

 

51 チーズ(乾酪)に類似した外観を示す壊死を生じる疾患はどれか。

a.脳梗塞

b.肺結核

c.胃腺腫

d.腎梗塞

e.虫垂炎

 

52 

頭部単純エックス線写真で側頭骨に線状骨折を認めた救急搬送患者において、

これから数時間以内に起こりうる最も注意すべきものはどれか。

a.髄液漏

b.急性硬膜外血腫

c.慢性硬膜下血腫

d.脊髄損傷

e.び漫性軸索損傷

 

53 筋型グリコーゲンフォスフォリラーゼ欠損症はどれか。

a.糖原病T型 von Gierke

b.糖原病U型 Pompe

c.糖原病V型 Forbes

d.糖原病X型 McArdle

e.糖原病Y型 Hers

 

54 

電車脱線事故現場から多数の傷病者が救急搬送された。初期治療を最も優先しなければならない傷病者の所見はどれか。

a.グラスゴー・コーマ・スケール(GCS12点(E3V4M5)とバトル徴候

b.下腿の変形と腫脹と皮下気腫

c.下腹部打撲痕と筋性防御

d.腰部打撲と血尿

e.下腿の変形と腫脹

 

55 膵液中の消化酵素について正しいのはどれかo

a.ランゲルハンス島の腺房細胞で合成される。

b.細胞内の粗面小胞体で合成される。

cNa+依存性輸送体により放出される。

d.ガストリンにより分泌が促進される。

e.コレチストキニンにより分泌が抑制される。

 

56 頭部外傷患者の理学的所見で、瞳孔径の左右差(瞳孔不同)を認めた

考えられる病態はどれか。

a.後頭葉(視覚野)の脳挫傷

b.経テント(側頭葉鉤回)ヘルニア

c.片側の視神経損傷

d.片側の顔面神経麻痺

e.大脳鎌(帯状回)ヘルニア

 

57 ジヒドロ葉酸レダクターゼが阻害されても生合成が障害されないのはれか。

aAMP

bCMP

cGMP

dIMP

eTMP

 

58 誤っているのはどれか。

a.声帯麻痺は左に多い。

b.大人の喉頭乳頭腫は多発性が多い。

c.声帯結節は両側性が多い。

d.急性声門下喉頭炎は幼小児に多い。

e.ポリープ様声帯は喫煙が原因として多い。

 

59 再生能力が強い組織・細胞はどれか。

a.心筋細胞

b.中枢神経細胞

c.骨格筋

d.平滑筋

e.皮膚

 

60 U型呼吸不全として正しい動脈血液ガスの検査データはどれか。

a.酸素分圧(PaO2110Torr、かつ、二酸化炭素分圧(PaCO230Torr

b.酸素分圧(PaO290Torr、かつ、二酸化炭素分圧(PaCO240Torr

c.酸素分圧(PaO255Torr、かつ、二酸化炭素分圧(PaCO265Torr

d.酸素分圧(PaO255Torr、かつ、二酸化炭素分圧(PaCO230Torr

e.酸素分圧(PaO265Torr、かつ、二酸化炭素分圧(PaCO240Torr

 

61

1分間当たりの尿量が11ml、尿中のイヌリン濃度が140mgml、血祭中イヌリン濃度が14mg/ mlである時、糸球体濾過量はいくらか。

a110ml/min

b154 ml/min

C178 ml/min

d196 ml/min

e216 ml/min

 

62 虐待が疑われる子供を診察した医師の対応として誤っているのはどれか。

a.医師には被虐待児を早期に発見し、適切な措置を講じる義務が課せられている。

b.児童の虐待の通告先に警察が追加されている。

c.虐待の疑い例に対しても通告が可能である。

d.医師は、通告にあたって立証は不要である。

e.保護者以外の同居人による虐待行為を保護者が放置することも、虐待と考えてよい。

 

63 生活習慣痛と運動器疾患について正しいのはどれか。

a.アルコール依存は骨壊死性疾患と無関係である。

b.加齢は高血圧と変形性膝関節症の共通のリスクファクターである。

c.日本人の肥満者(BMI30)の割合は、米国のそれとほぼ同等である。

d.喫煙は腰痛のリスクファクタ一にはならない。

e.肥満により腰椎の前考が減少し、脊柱管狭窄症は軽減する。

 

64 近年、地球温暖化が世界規模の問題となっている。次の気体で、地球温暖化に大きな影響を与える気体はどれか。

a.フッ化水素

b.二酸化窒素

c.二酸化炭素

d.二硫化炭素

e.エチレンオキシド

 

65 門脈圧亢進症においてみられるのはどれか。

a.嚥下困難

b.手掌紅斑

c.企図振戦

d.眼球突出

e.多尿

 

66 正しいのはどれか。

a.関節リウマチ ― へバーデン結節

b.屈筋腱断裂 ― 槌指

c.伸筋腱断裂 ― 下垂指

d.屈筋腱腱鞘炎 ― キーンベック病

e.舟状骨骨折 ― 高齢者に多い骨折

 

67 ヒトのリンパ節の組織標本(別冊No4A)とその模式図(別冊No4B)を示す。

BCの境界部に多く分布する細胞に発現し、その表面に抗原分子を長期にわたって保持することに関与する受容体として正しいのはどれか。

aFcεRIa

bpolyIgR

c.補体C3dレセプター

dFcRn

eFcγRIIb

 

68 殺細胞性抗悪性腫瘍薬、分子標的治療薬の効果、副作用について正しいのはどれか。

a.分子標的治療薬は腫瘍縮小を示さない。

b.肺癌腫瘍増殖のドライビングフォースとなっている遺伝子、遺伝子産物を標的としている典型的薬剤はベバチズマブである。

c.肺癌患者では殺細胞性抗悪性腫瘍薬、分子標的治療薬のいずれにおいても肺毒性が見られる。

d.ゲフィチニブ、エルロチニブの骨髄毒性の頻度は殺細胞性抗悪性腫瘍薬より高い。

e.ベバチズマブとゲフィチニブ、エルロチニブの作用機序は同じである。

 

69 急性炎症で見られるのはどれか。

a.異物反応

b.類上皮肉芽腫

c.膿瘍

d.癒痕

e.腸上皮化生

 

70 A写真の四角(□)で囲んだ部分を拡大するとB写真のようであった。矢印で示した部位について誤っているのはどれか。

a.胃小寓

b.表層粘液細胞

c.壁(傍)細胞

d.主細胞

e.バネート細胞

 

 

71

46歳の女性。1年前から高血圧を指摘されていたが放置していた。最近、頭痛時に収縮期血圧が200mmHg以上まで上昇するようになり、

同時に激しい動悸および発汗を自覚するようになった。非頭痛時の血圧は140mmHg程度である。既往歴に特記事項なく、高血圧の家族歴もない。

現症:身長165cm、体重55kg、血圧146mmHg(降庄薬なし)、脈拍72分、整。

血液生化学所見:尿素窒素92mg/dl、クレアチニン08mg/d1Na143mEq/lK4.0mEq/lCl 102mEq/lCa l0.0mg/dlP 32mg/d1、空腹時血糖132mg/d1

この患者にまず投与する降庄薬として、不適切なのはどれか。

aACE阻害薬

b.カルシウム括抗薬

c.利尿薬

d.α遮断薬

e.β遮断薬

 

72 Down症候群について正しいのはどれか。

a.高身長である。

b.小舌をしている。

c.筋緊張が亢進する。

d.長い四肢・指址をしている。

e.つりあがった目尻をしている。

 

73 縦隔腫瘍の症状で正しい記載はどれか。

a.しばしば無症状で経過し、胸部レントゲンで偶然発見されることがある。

b.食道圧迫症状はない。

c.嗄声はない

d.上大静脈症候群は起こさない

e.ホルネル症候群はおこさない。

 

74 免疫抑制剤タクロリムス(FK506)はT細胞抗原受容体シグナル伝達のどこを阻害するか。

a.抗原受容体細胞内ドメインのリン酸化反応

b.細胞膜リン脂質のリン酸化反応

c.低分子量Gタンパク質の活性化

dMAPキナーゼの活性化

e.カルシニューリンの活性化

 

75 肺組織のHE染色標本を別に示す。正しい所見はどれか。

a.膿瘍

b.硝子膜

c.脂肪変性

d.細動脈硬化

e.フィブリノイド壊死

 

76 細菌について誤っているのはどれか。

a.ファージ変換による毒素産生能の獲得

b.胞子形成による環境中への拡散

c.接合プラスミドによる薬剤耐性遺伝子の伝達

d.芽胞形成による不適当な環境での生存

e.裸のDNAによる形質転換

 

77 脳循環の特徴について、正しいのはどれか。

awillis動脈輪は動脈狭窄の好発部位である。

b.脳におけるブドウ糖消費は体全体の2%程度である。

c.脳の潅流圧の変動に対して脳血流を一定に保つ機能は変動することがない。

d.脳虚血時には細胞内カルシウム濃度が上昇する。

e.脳虚血時には細胞内グルタミン酸濃度が上昇する。

 

78 顎関節、咀嚼筋の説明のうち誤っているのはどれか。

a.咀嚼筋は、下顎神経の支配を受ける。

b.咀嚼筋は、顔面の外側部で咀嚼に関与する筋肉の総称である。

c.咬筋、側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋などからなる。

d.オトガイを左右に振るのは主として咬筋である。

e.下顎神経から舌神経が分枝して、舌に伸びている。

 

79 

25歳の女性。第1子分娩後から38度台の発熱、下肢浮腫、多関節痛を訴え来院した。

両頬部から鼻梁にかけて紅斑を認める。尿蛋白3+、沈渣顆粒円柱多数、赤沈100mm1時間、

白血球1800u1Hb96gdl、血小板数30万/u1、抗核抗体陽性。

この疾患の治療薬としてまず使用すべきなのはどれか。

a.非ステロイド系抗炎症薬

b.免疫グロブリン製剤

c.シクロスポリン投与

d.プレドニゾロン大量療法

e.メトトレキサート

 

80 男性ホルモンを分泌する細胞はどれか。

a.精粗細胞

b.精母細胞

c.精子細胞

d.セルトリ細胞

e.ライデッヒ細胞

 

81 日内変動が1℃以内の熟型はどれか。

a.稽留熟

b.弛張熟

c.間欠熱

d.波状熟

e.周期熟

 

82 細菌性食中毒について正しいのはどれか。

a.黄色ブドウ球菌 ― 易熱性エンテロトキシン

b.腸炎ビブリオ ― 卵の摂食により発症する

c.ボツリヌス菌 ― 潜伏期間は23日間である

d.サルモネラ菌 ― 冬期に流行する

e.カンピロバクター ― 鶏肉の摂取により発症する

 

83 膵ランゲルハンス島に関して正しいのはどれか。

a.リパーゼを産生する。

b.膵尾部よりも膵頭部に多い。

c.細胞数はα<A>細胞が最も多い。

d.β<B>細胞はグルカゴンを分泌する。

e.∂<D>細胞はソマトスタチンを分泌する。

 

84 

4歳の女児。自制不能な腹痛と血便を主訴に来院した。1週間前からの足関節痛、腹痛を訴えており、昨日より、両側下肢に発疹を認めている。

20日ほど前に、急性扁桃腺炎にて、近医で加療をうけて、治癒していた。Hb128g/dl、血小板207万、血液塗抹標本正常、血清アルブミン

46g/dl、尿素窒素16mg/dl、クレアチニン05mg/dl。下腿の写真(別冊No7)を別に示す。この症例の診断に必要でない検査はどれか。

a.検尿

b.骨髄検査

c.腹部エコー

d.第[因子

e.血清ASO

 

85 複合性局所疼痛症候群(CRPS)について誤っているのはどれか。

a.交感神経ブロックは適用ではない。

b.アロディニアを呈する。

c.浮腫を生じる。

d.外傷が原因となる。

e.筋肉の委縮を生じる。

 

86 急性胃腸炎の原因となるウイルスはどれか。

aRSウイルス

b.ロタウイルス

c.ヒトヘルペスウイルス6

d.ヒトパルボウイルスB19

eEbsteinBarEB)ウイルス

 

87 大動脈内バルーンバンビング(IABP)の使用日的で誤っているのはどれか。

a.冠動脈血流増加

b.拡張期圧の上昇

c.後負荷の軽減

d.腎血流減少

e.心拍出量増大

 

88 介護老人保健施設について、誤っているのはどれか。

a.老人保健法に基づき設置されている。

b.病状安定期のリハビリテーション

c.虐待老人の保護のための入所

d.在宅療養中のショートステイ

e.食事、入浴などの日帰りデイケア

 

89 椎間板ヘルニアについて誤っているのはどれか。

a.椎間板は髄核が線維輪で包まれる構造である。

b.髄核が線維輪の隙間から脱出するのが椎間板ヘルニアである。

c.髄核は椎間板の中でもっとも硬い組織である。

d.髄核が後外方に脱出すると神経板症状を呈することもある。

e.髄核は上下に脱出することもある。

 

90 房水循環で正しいのはどれか。

a・毛様体一隅角一前房一後房一Schlemm

b・毛様体一前房一後房一隅角一Schlemm

c・毛様体一後房一隅角一前房一Schlemm

d・毛様体一後房一前房一隅角一Schlemm

e・毛様体一隅角一後房一前房一Schlemm

 

91欠乏しても皮膚症状の出ないビタミンはどれか。

a.ビタミンA

b.ビタミンD

c.ビタミンB2

d.ビタミンB6

e.ナイアシン

 

92 小児の結核について正しいのはどれか。

a.粟粒結核が成人に比べ多い。

b.学校での集団感染が最も多い。

c.結核菌の培養には1週間を要する。

d.感染後ツベルクリン反応の陽転に2週を要する。

e.培養陽性者には薬物療法を6か月間実施する。

 

93 薬物濫用について誤っているのはどれか

a.モルヒネは身体的依存が強い。

b・大麻はテトラヒドロカンナビノールを含んでいる。

c・トリアゾラムは向精神薬の中で濫用頻度が高い。

dMDMAは合成麻薬として規制されている。

e・アンフェタミンは日本で主に濫用されている覚せい剤である。

 

94 分娩時に胎児機能不全に陥ったときの管理で誤っているのはどれか。

a.母体酸素投与

b.母体静脈確保

c.体位変換

d.子宮筋収縮薬の投与

e.急速遂娩の準備

 

95 ヘモジデリンはどの金属を含むか。

a.金

b.銀

c.銅

d.鉄

e.亜鉛

 

96 Crohn病につき通常みられない症状はどれか。

a.下痢

b.腹痛

c.発熱

d.腹部膨満

e.痔瘻

 

97 神経変性疾患における遺伝子診断について正しいのはどれか。

a.遺伝子診断の同意は口頭でよい。

b.遺伝子診断には個人情報保護法は適応されない。

c.発症前診断では遺伝カウンセリングを実施することが望ましい。

d.妻の希望で、結果は本人には伝えず、妻にだけ知らせた。

e.遺伝子診断には本人の同意なしに実施してもよい。

 

98 ケアマネージャーについて、誤っているのはどれか。

a.介護保険の導入とともに制度が導入された。

b.法律に資格が規定された。

c.ケアプランの作成を行う。

d.提供するサービスを設定する。

e.サービス設定後のモニタリングを行う。

 

99 PeutzJeghers症候群につき正しいのはどれか。

a.色素沈着は口唇部のみにみられる。

b.色素沈着は加齢とともに消失する。

c.ポリープは無茎性のものが多い。

d.腸重積を発症しやすい。

e.常染色体劣性遺伝形式を示す。

 

100 嘔吐している患者にとらせる体位はどれか。

a.下肢拳上

b.腹臥位

c.仰臥位

d.側臥位

e.立位

 

101小児の骨折の特徴について正しいのはどれか。

a.年長になるほど骨癒合が早い。

b.回旋変形についても自然矯正が可能である。

c.骨端線損傷では成長障害が必発である。

d.骨折よりも脱臼が多い。

e.骨膜が厚いため若木骨折となることが多い。

 

102 てんかん重積発作の際にまず用いるべき薬物はどれか。

a.ドパミン

bLDOPA

c.エピネフリン

d.ジアゼパム

e.硫酸アトロピン

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